冬なのに虫さされ…これ、どんな虫?
2021.01.06
足早に秋が通り過ぎ、寒波の到来する冬。
ゴキブリさんをはじめ多くの虫たちは冬眠に入ります。
夏に悩まされていた虫さされも無くなり、ようやく穏やかな日々が戻ると思いきや、また虫さされ…。
えっ! なんで?
今、冬だけど…。
地球が温暖化してるから?
実はそれ、「蚊」の仕業かもしれません。
身近に見かける白黒まだらのヒトスジシマカ、オリーブ色のアカイエカ…など。
この中に冬でも襲来する蚊がいます。
その名は「チカイエカ」
見た目はオリーブ色のアカイエカと瓜二つ。
虫のプロの眼から見ても、外見は同じにしか見えません…。
チカイエカはその名の通り、都市部の地下湧水槽や浄化槽をおもな発生源とする、ヒトの生活環境に適応した蚊の一種です。
チカイエカは冬眠せず冬でも襲来して吸血します。また、あらゆる吸血対象となる動物の中でも特にヒトを好むという最悪な習性を持っているのです…。
…虫は進化する…。
それを如実に示しているのがチカイエカなのです。
蚊は種類によって襲撃を開始する吸血温度と活発に襲来する吸血時間帯があります。
チカイエカの吸血開始温度は15℃以上、吸血時間帯は日没後より数時間がピークです。
ちなみにオリーブ色のアカイエカの吸血開始温度は22℃以上、吸血時間帯は20時と6時がピークです。
白黒まだらのヒトスジシマカの吸血開始温度は18℃以上、吸血時間帯は日没直前と日出直後がピークです。
「冬に蚊に刺されるはずがない…」との一般常識から得体のしれない虫さされに怯える方の多いこの季節。
どうぞご安心ください。
四季のある日本において冬でもヒトから吸血する虫はそんなにいません。
痒みや発疹が夏の蚊と同様なら、それはきっとチカイエカです。
わずかでもご参考になり、ご安心頂けましたら幸いです。