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とっても厳しいムカデさんの一生の始まり

2021.10.05

6~7月頃、お母さんムカデの背中の上に産み出された25~50個の卵は、一心に愛情を受けることができた時※、ほぼ全てが元気に孵化します。

※ お母さんムカデは、托卵(たくらん)中にストレスが掛かると卵を1つ残らず食べてしまい、子育てを中断してしまいます。外敵の脅威のない静かな環境でなければ子育てしないのです。

無事に生まれた子ムカデたちはお母さんムカデのお腹の下に移動して、きょうだい皆で身体を寄せ合いながら大きくなるまでじっとしています。何も食べず、水さえも飲まず、そして餌が目前に現れるまで何日も待ち続けるのです。

お母さんムカデはというと、子ムカデと同様ただひたすら空腹に耐えながら、子供たちの巣立ちの時を待ち続けます。

…子供たちの目前に現れる餌…

それは、生まれてすぐに始まる生存競争に敗れたきょうだいの身体なのです。

捕食性ゆえの宿命か、自然環境下では夫婦で子育てしない※ムカデさんは、お母さんムカデが餌を捕りに巣穴を離れることもできず、子供を外敵から守ることで精一杯なのです。

※ 自然環境下では常に餌が得られないため、夫婦で子育てすることはほとんどありません。餌の潤沢な飼育環境下では夫婦で子育てする様子が観察されるため、お父さんムカデにも親心はあるようです。

…何もできず、子供たちの生存競争を直視しながらの子育ては、きっと辛いに違いありません…。

約60日の間、きょうだいの身体を食べて大きくなった子ムカデだけが親元を巣立っていくことができるのです。

これが人間よりも遥かに厳しいムカデさんの一生の始まりです。

中秋の名月を迎える頃になると、親元を離れて独り立ちした子ムカデは積極的に狩りに励むようになります。

この頃になると貧弱だった身体もいくらかばかり引き締まり、動きもお母さんムカデさながらの俊敏さを持ち併せるようになります。

狩りの練習相手はバッタさんなど。

茂みの中にはたくさんのバッタさんなどが潜んでいます。

子ムカデはなんとか狩りの腕を上げようと果敢に挑戦しますが、バッタさんの強力な跳躍力で逃げられることも多く、雑草と同色のカムフラージュに惑わされ、いつまでも餌にありつけない子も出てきます。

まだまだ小さな身体はクモの巣を強引に突破することもできず、あっけなく捕まってしまうことも多々あります。

獲物を捕れず弱った子ムカデは、アリなどに襲われ命を落します。

大きくなると驚異的な生命力を発揮するムカデさんですが、生後1年以内は環境の変化や外敵にめっぽう弱く、無事に生き長らえる子ムカデはほんの僅かになってしまいます。

毎年、5~6月に見かける大きなムカデさんは、数々の苦難を乗り越えた精鋭なのです。

体長5cmほどなら生後2年ほど経過した若者で、
体長10cm前後なら3年を経過した親ムカデ、
体長15cmなら5年以上を優に経過した重鎮、
体長20cm以上ならその地域一帯を占めるゴッドファーザーです。

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