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山里を脅かすエイリアンとは?

近年、山奥から人里に下り新興住宅地を脅かすエイリアン(侵略者)が全国的に広まっています。 その名は「ヤマビルHaemadipsa zeylanica japonica」日本固有種の陸上に生息するヒルです。

普段はシカやイノシシからこそっと血をもらい、ひっそりと生きているため人目に触れることは少ないのですが、シカとともに人里に降り立ったヤマビルは積極的にヒトめがけて近づいてきます。

ヤマビルは蚊などと同様、動物の体温と呼吸と臭気を頼りに吸血源を探索し、吸盤のついた口をめいっぱい伸ばして宿主にくっつきます。

とはいえ目も手足も無いヤマビルが無事に宿主にくっつくのは至難の業、数年の生涯のうちにニアミスも数えきれないほど経験します…。

七転び八起きでようやく辿り着いた宿主、みすみす逃がす訳にはいきません。

なんとヤマビル、宿主の足元にくっついて吸血可能な皮膚への到達、わずか30秒! まさに執念の吸血です!

「さぞかし腹が空いていたであろう…ふむふむ、わしの血でよからば好きなだけ吸うがよいわ!」とは残念ながらなりません。

ヤマビルは吸血時に抗凝血剤を皮膚に注入するため、血を吸われると患部の出血がしばらく止まらなくなります。白い靴下が血に染まる驚愕の光景…。

発覚と同時に「おのれ!ヤマビルめ!」となります。かくしてヤマビルはライターで火炙りの刑に処されるか、虫よけスプレーを執拗(しつよう)に浴びせられて地上へと落下します。
ヤマビルの吸血は餓死と隣り合わせ、かつ、宿主を見誤ると酷い目に遭うのです…。

ヤマビルの想像を絶する苦労、1ミクロンほど同情します。…ほとんどしてない(笑)

よくよく考えてみると山奥の野生の領域に土足で踏み入っているのは私たちヒトであり、シカやイノシシもやむを得ず人里に出没しているのが現実です。

そう、全国各地で山里に脅威をもたらしているエイリアン(侵略者)は、私たちヒトだったのです。

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